保育士の将来性と処遇改善・待機児童問題の展望
wellness 就活 編集部

免責事項
本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。
保育士の将来性・処遇改善・待機児童問題の最新情報を徹底解説。2024年の過去最大規模の賃上げ(10.7%)や待機児童数2,567人まで減少の背景、キャリアアップの方法、転職市場の動向まで詳しくまとめました。
保育士の将来性と処遇改善・待機児童問題の展望【2024年最新】
保育士は「子どもの未来を育てる」という非常に重要な仕事でありながら、長年にわたって低賃金・人手不足・待機児童問題などの課題を抱えてきました。しかし、近年は政府による大規模な処遇改善が相次ぎ、保育士の働く環境は確実に変わりつつあります。本記事では、保育士の将来性、処遇改善の最新動向、待機児童問題の現状と展望について詳しく解説します。保育士への転職を検討している方は「保育士の転職完全ガイド」もあわせてご覧ください。
---
保育士の将来性は?需要はなくならない
少子化でも保育士の需要が続く理由
「少子化が進んでいるなら、保育士の仕事は減るのでは?」と心配する方もいるかもしれません。確かに子どもの数は減少傾向にありますが、保育士の需要がなくなることはありません。その理由は以下のとおりです。

- 共働き世帯の増加:女性の社会進出が進み、保育所の利用ニーズは依然として高い
- こども誰でも通園制度の開始:2024年から一部地域で、就労要件を問わず子どもを通園させられる新制度がスタート
- 放課後・障害児支援の拡充:放課後デイサービスや児童発達支援施設での保育士ニーズが増加
- 企業内・院内保育所の増加:企業内保育所・院内保育所への転職など保育の場が多様化
厚生労働省の推計によると、保育士の不足数は年間約7万人とされており、需要は依然として高水準を維持しています。
2025年問題:保育所利用のピーク後を見据える
一方で、保育所の利用児童数は2025年にピークを迎えると予測されています。その後は少子化の影響で利用者数が減少し、保育施設の統廃合や再編が進む可能性があります。これを「保育における2025年問題」と呼んでいます。
ただし、地域差が大きく、都市部では依然として待機児童が発生している一方、地方では定員割れが始まっています。今後は地域を選ぶ力や多様なスキルが保育士のキャリアを左右するでしょう。
---
待機児童問題の現状と今後の見通し
待機児童数の推移と現状
日本の待機児童問題は長年の課題でした。しかし、政府の積極的な取り組みにより、大幅な改善が見られています。

| 年 | 待機児童数 | 変化 |
|---|---|---|
| 2017年(最多) | 26,081人 | 過去最高水準 |
| 2019年 | 16,772人 | 減少傾向 |
| 2021年 | 5,634人 | 大幅減少 |
| 2023年 | 2,680人 | さらに減少 |
| 2024年 | 2,567人 | 最低水準を更新 |
2024年最新の待機児童問題の詳細解説によると、2024年4月時点の待機児童数は2,567人となり、ピーク時の約10分の1まで減少しました。
待機児童問題が完全解消されない理由
数字上は大きく改善されているものの、待機児童問題が完全になくならない背景には以下の課題があります。
- 地域格差:東京都・神奈川県など都市部では依然として待機児童が発生
- 保留児童問題:「認可外でよければ入れる」など、希望施設に入れない実態
- 保育士不足:施設があっても保育士が確保できず、定員を絞らざるを得ない
- 保育の質の問題:施設数を増やすだけでは本質的解決にならない
待機児童問題の詳細と対策でも指摘されているように、待機児童問題の根本には保育士不足という課題が深く関わっています。
---
保育士の処遇改善・給与の最新動向
2024年の処遇改善:過去最大規模の賃上げ
2024年、政府は保育士等の給与を10.7%引き上げる処遇改善策を発表しました。これは過去最大の引き上げ率です。保育士の処遇改善手当の最新情報によると、具体的な内容は以下のとおりです。

処遇改善等加算の仕組み
- 処遇改善等加算Ⅰ:全保育士を対象に基本給を底上げ
- 処遇改善等加算Ⅱ:キャリアアップ研修を修了した職員に加算
- 処遇改善等加算Ⅲ:収入を3%程度(月額9,000円)引き上げる措置
役職別の給与加算額
| 役職 | 月額加算額 |
|---|---|
| 職務分野別リーダー | 月額5,000円 |
| 副主任保育士・専門リーダー | 月額40,000円 |
| 主任保育士 | 月額5,000円(加算Ⅰ上乗せ) |
保育士の平均給与の推移
保育士の給与アップと処遇改善の解説によれば、保育士の平均月収は以下のように推移しています。
| 年 | 平均月収 | 変化 |
|---|---|---|
| 2014年 | 21.6万円 | 基準点 |
| 2019年 | 25.1万円 | +3.5万円 |
| 2023年 | 27.1万円 | +5.5万円 |
| 2024年(補正後) | 約31万円(目標) | +約10万円 |
2024年の補正予算では、常勤保育士1人当たり月額約3万8,000円アップを目指す金額が盛り込まれました。また、2025年4月からは保育士等キャリアアップ補助金の新制度がスタートし、さらなる待遇改善が期待されます。
保育士の年収・給料相場と待遇改善の詳細についても参考にしてください。
---
保育士が活躍できる新たなフィールド
保育園以外の選択肢が広がっている
保育士の活躍の場は保育園だけではありません。近年は保育士資格を活かせる職場が大幅に広がっています。
保育士が転職できる主な職場
- 小規模保育園:少人数でアットホームな環境。小規模保育園への転職のメリットと注意点で詳しく解説
- 企業内・院内保育所:給与水準が高めで福利厚生も充実。企業内保育所・院内保育所への転職を参照
- 児童発達支援・放課後デイサービス:障害を持つ子どもへの支援。保育士の児童発達支援・放課後デイへの転職で詳細を確認
- ベビーシッター・子育て支援センター:個別対応のきめ細かい保育
- 保育関連のIT・EdTech企業:保育業務のデジタル化を支援する新分野
男性保育士の需要も増加中
従来は女性中心の職場でしたが、近年は男性保育士の需要も高まっています。男性保育士の転職事情と需要・活躍の場でも解説しているとおり、多様な人材が求められる時代になっています。
---
キャリアアップの道:主任・園長を目指す
キャリアパスが明確化されつつある
処遇改善等加算Ⅱの導入により、保育士のキャリアアップの道筋が明確になりました。段階的なキャリアアップが給与に反映される仕組みが整いつつあります。
保育士のキャリアパス
- 保育士(新卒・経験2年未満):基本給+処遇改善等加算Ⅰ
- 職務分野別リーダー:キャリアアップ研修修了後に月額5,000円加算
- 副主任保育士・専門リーダー:さらに月額4万円加算
- 主任保育士:チームをまとめるリーダー職
- 園長:施設全体の運営・管理を担当
保育士の主任・園長へのキャリアアップガイドでは、具体的なキャリアアップの方法を詳しく解説しています。
---
保育士の転職を考えるなら今がチャンス
転職市場の動向
処遇改善により保育士の待遇が向上している今、転職市場でも保育士の需要は高い水準を保っています。転職を考えている方は、以下のポイントを押さえましょう。
転職成功のポイント
- 転職サイト・エージェントを活用する:保育士の転職サイト・エージェントのおすすめ比較を参考に複数社を比較検討
- ブランクがある方も積極的に:保育士のブランクからの復職ガイドでブランクの不安を解消
- 志望動機・面接対策をしっかりと:保育士の面接対策と志望動機の書き方で万全の準備を
転職を考えるタイミング
現在の職場での待遇に不満がある場合、今は転職のチャンスといえます。処遇改善が進む中で、施設間の待遇差も広がっています。待遇の良い施設に転職することで、給与アップ・労働環境改善を実現している保育士も多くいます。
保育士が転職を考える理由ランキングと対処法では、転職を考えるよくある理由と、それぞれの解決策を詳しく解説しています。
---
まとめ:保育士の将来性は明るい
保育士を取り巻く環境は、この数年で大きく変わりつつあります。重要なポイントをまとめると以下のとおりです。
- 待機児童問題は大幅に改善(ピーク時26,081人 → 2024年2,567人)
- 処遇改善が過去最大規模(2024年に10.7%賃上げ)
- 保育士の年収は上昇傾向(10年間で月収約6万円アップ)
- 活躍の場が多様化(企業内保育、放課後デイ、EdTechなど)
- 2025年問題を見据えたキャリア設計が重要
少子化が進む中でも、保育士は社会に不可欠な存在であり続けます。処遇改善の流れに乗りながら、自分のキャリアを主体的に設計することが、今後の保育士生活を豊かにする鍵となるでしょう。
保育士の転職完全ガイドでは、転職全般についての情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事

保育士資格を活かせる保育園以外の仕事12選
保育士資格を活かせる保育園以外の仕事12選を徹底解説します。ベビーシッター・学童保育・放課後等デイサービスなど転職先の特徴比較表と選び方のポイント、注意点を詳しく紹介。2024年最新情報に対応しています。
続きを読む →
保育士の人間関係の悩みと良い職場の見分け方
保育士の退職理由1位は「職場の人間関係」で38%を占めます。上司・同僚・保護者との悩みの実態と、人間関係が良い職場の特徴、園見学・面接での確認ポイント7選を解説。転職前に必ず読むべき保育士の職場選びガイドです。
続きを読む →
保育士のパート・派遣の働き方と時給相場
保育士のパート・派遣の時給相場と働き方を徹底解説します。パート保育士の平均時給は1,000〜1,370円、派遣保育士は1,200〜1,800円が相場です。それぞれのメリット・デメリット、自分に合った雇用形態の選び方も詳しく紹介します。
続きを読む →
保育士の主任・園長へのキャリアアップガイド
保育士として働きながら「いつかは主任や園長を目指したい」と思っている方は多いのではないでしょうか。保育士のキャリアアップには明確なルートがあり、2017年の制度改革以降、処遇改善と合わせた体系的なステップが整備されています。本記事では、主任・園長になるための具体的な条件・手順・給与変化・必要なスキルを徹底解説します。
続きを読む →
男性保育士の転職事情と需要・活躍の場
男性保育士の転職事情と需要を徹底解説。男性保育士の割合は約5.2%で増加中、有効求人倍率3.7倍の売り手市場で転職チャンスが拡大。認定こども園・企業内保育所など男性が活躍しやすい転職先の選び方・注意点を詳しく紹介します。
続きを読む →
保育士のブランクからの復職ガイド【不安解消】
保育士のブランクから復職する際の不安を解消するガイド。有効求人倍率3.54倍の今、復職支援研修の活用方法・職場の選び方・面接対策まで徹底解説。育児・介護ブランクのある保育士が安心して職場復帰するための完全情報。
続きを読む →
