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言語聴覚士(ST)の転職完全ガイド

言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方

公開日:2026年2月23日更新日:2026年2月26日
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執筆

wellness 就活 編集部

言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方

免責事項

本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。

言語聴覚士(ST)が介護老人保健施設(老健)で働く際の仕事内容・メリット・デメリット・給与・転職ポイントを詳しく解説。嚥下リハビリや多職種連携など、老健ならではの魅力と課題を紹介します。転職を考えるSTに必読の情報です。

言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方完全ガイド

言語聴覚士(ST)が活躍できる職場は病院だけではありません。超高齢社会の日本において、介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホームなどの介護施設での需要が年々高まっています。本記事では、言語聴覚士が介護施設・老人保健施設で働く際の仕事内容、メリット・デメリット、向いている人の特徴、転職を成功させるポイントまで詳しく解説します。

言語聴覚士(ST)の転職完全ガイドもあわせてご覧ください。

介護老人保健施設(老健)とはどんな施設?

介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰を目的とした介護保険施設です。病院での治療を終えたものの、すぐに在宅生活に戻るには不安がある要介護者が、医師の指示のもとで看護・介護・リハビリを受けながら生活します。

介護老人保健施設(老健)とはどんな施設? - illustration for 言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方
介護老人保健施設(老健)とはどんな施設? - illustration for 言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方

老健の最大の特徴は「在宅復帰・在宅療養支援」に特化している点です。入居者が自宅での生活に戻れるよう、身体機能の回復と生活能力の向上を目指したリハビリテーションが積極的に提供されます。

老健と他の介護施設の違い

老健は特別養護老人ホーム(特養)や介護付き有料老人ホームとは異なり、入居期間に上限があります(原則3〜6ヶ月)。在宅復帰率が施設評価の指標となっているため、より積極的なリハビリが行われる環境です。

施設種類目的入居期間リハビリ強度
介護老人保健施設(老健)在宅復帰支援3〜6ヶ月(目安)高い
特別養護老人ホーム(特養)長期入所生活支援長期(終身含む)維持中心
介護付き有料老人ホーム生活支援・医療連携長期施設による
グループホーム認知症ケア長期生活訓練中心

2021年の介護保険法改定により、老健におけるリハビリテーション専門地域拠点として、PT・OT・STの3職種が配置されることによる加算が設けられました。これにより、老健での言語聴覚士の需要はますます高まっています。

介護施設・老健での言語聴覚士の仕事内容

老健や介護施設で働く言語聴覚士の主な仕事内容は以下の通りです。

介護施設・老健での言語聴覚士の仕事内容 - illustration for 言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方
介護施設・老健での言語聴覚士の仕事内容 - illustration for 言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方

1. 摂食・嚥下リハビリテーション

老健における言語聴覚士の最も重要な役割の一つが摂食・嚥下(えんげ)リハビリです。高齢者は加齢とともに嚥下機能が低下しやすく、食事中のむせや誤嚥性肺炎のリスクが高まります。在宅復帰を目指すためには、適切に栄養を摂取して体力をつけることが不可欠であり、STは嚥下評価や訓練を通じて食べる機能の改善をサポートします。

参考:言語聴覚士(ST)の介護老人保健施設(老健)での仕事内容と魅力

2. 言語・コミュニケーション訓練

失語症や構音障害を持つ高齢者に対し、個別または集団での言語訓練を行います。また、認知症による認知機能低下や高次脳機能障害に対するアプローチも重要な業務です。コミュニケーション能力の改善は、高齢者の生活の質(QOL)向上に直結します。

3. 認知機能・高次脳機能のリハビリ

老健では脳卒中後の高次脳機能障害や認知症を抱える方が多く入居しています。記憶・注意・遂行機能などのリハビリを通じて、在宅での日常生活が送れるよう支援します。

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4. 多職種連携・カンファレンス参加

老健では医師・看護師・介護士・理学療法士・作業療法士・管理栄養士などと密接に連携します。定期的なケアカンファレンスに参加し、利用者の状態変化を共有しながら、在宅復帰に向けた包括的なリハビリ計画を立案します。

参考:介護老人保健施設(老健)の言語聴覚士の仕事とは?

5. 在宅復帰支援・家族指導

退院後の生活を見据え、家族への食事介助方法の指導や、コミュニケーションの取り方のアドバイスも行います。退院前には自宅訪問を行い、住環境を確認することもあります。

老健で働く言語聴覚士のメリット

ワークライフバランスが取りやすい

老健での言語聴覚士は基本的に日中帯の勤務となります。多くの施設で夜勤がなく、残業も少ない傾向があります。土日祝日が休みの施設も多く、病院勤務と比較してプライベートの時間を確保しやすいのが大きな魅力です。

老健で働く言語聴覚士のメリット - illustration for 言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方
老健で働く言語聴覚士のメリット - illustration for 言語聴覚士の介護施設・老人保健施設での働き方

言語聴覚士の月収は経験5年で約34万8千円(日本平均)ですが、老健は夜勤手当が発生しない分、年収では病院より若干低い場合もあります。ただし、働きやすさや生活の質を重視する方には非常に魅力的な職場環境です。

在宅復帰に向けたやりがい

老健での最大のやりがいは、利用者が自宅に帰れた瞬間を支援できることです。摂食・嚥下機能が改善され、ご本人やご家族から「また食事を楽しめるようになった」と感謝される体験は、他の施設では得にくい特別なものです。

長期的な関わりで利用者の変化を実感

急性期病院のように短期間で患者が入れ替わるのとは異なり、老健では数ヶ月にわたり同じ利用者と関わることができます。ゆっくりではあっても確実な回復の過程を見守り、生活機能の向上を支援できる点がやりがいにつながります。

多様なスキルが身につく

老健では摂食嚥下・失語症・認知症・高次脳機能障害など、幅広い対象に関わります。また、在宅復帰を見据えた視点(生活機能・社会復帰)が自然と養われ、地域ケアの考え方も学べます。

老健で働く言語聴覚士のデメリット・課題

専門性を発揮しにくい場合がある

老健では理学療法士・作業療法士と比較して言語聴覚士の配置が少なく、業務の違いが理解されにくいケースがあります。他職種から「STって何をするの?」と聞かれることもあり、日々の業務を通じて自分の専門性を発信していく姿勢が求められます。

急性期スキルが磨きにくい

急性期病院のような高度医療連携や最新のリハビリ技術に触れる機会は少なくなります。専門的な技術向上を目指す方は、学会参加や外部研修への積極的な参加が重要になります。

参考:言語聴覚士が介護保健施設(老健等)へ転職するメリット・デメリット

ST配置が少ない施設も

老健によってはSTが1〜2名程度しかいない施設もあり、OJTや先輩からの指導を受けにくい環境もあります。新卒や経験の浅いSTの場合は、まず病院でスキルを磨いてから転職するルートも選択肢の一つです。

老健・介護施設への転職が向いている言語聴覚士の特徴

  • 規則的な生活リズムを大切にしたい方:夜勤なし・日中勤務が基本
  • 嚥下リハビリに特化したい方:老健ではSTの中でも嚥下専門性が最も発揮できる
  • 在宅・地域リハビリに興味がある方:生活復帰の視点が自然と身につく
  • 子育て中・家庭と仕事を両立したい方:残業が少なく有給も取りやすい環境が多い
  • 多職種と連携しながら働きたい方:介護チームとの密な協働が日常的

反対に、急性期でバリバリ専門スキルを磨きたい方や、言語障害の多様な症例を経験したい方には物足りなく感じる場合があります。

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老健・介護施設への転職を成功させるポイント

1. 転職エージェントを活用する

老健・介護施設への転職は、専門の転職エージェントを利用するのが最も効率的です。施設の雰囲気、ST配置数、研修体制など、求人票だけではわからない情報を事前に収集できます。

医療・介護・福祉の転職サイト・エージェント徹底比較もぜひ参考にしてください。

2. 見学・体験を積極的に行う

転職前に必ず施設見学を行い、リハビリ室の設備、ST同士の連携状況、多職種のコミュニケーション雰囲気などを直接確認しましょう。可能であれば1日体験も申し込むと、実際の業務イメージが湧きやすくなります。

3. 嚥下評価・VF・VE等のスキルをアピール

老健では嚥下機能評価(VF:嚥下造影検査、VE:嚥下内視鏡検査)の経験が重視されます。これらの経験がある方は積極的にアピールしましょう。経験がない場合は、研修参加への意欲を伝えることが重要です。

4. 介護保険制度の理解を深める

老健は介護保険制度のもとで運営されています。医療保険と介護保険の違い、老健における加算の仕組みなどを理解しておくと、面接でも好印象を与えられます。

医療・介護・福祉の資格取得完全ガイドもあわせて参考にしてください。

言語聴覚士の老健・介護施設での給与・待遇

項目内容
平均月収(老健・経験5年)約28〜35万円
夜勤ほぼなし
残業月平均5〜10時間程度
土日休み多くの施設で可能
有給取得率高め(施設による)
賞与年2回(2〜4ヶ月分が目安)

老健での給与は急性期病院と比較すると若干低い場合がありますが、夜勤なし・安定した勤務時間という条件を考慮すると、実質的な待遇はむしろ高い職場も多いです。

医療・介護・福祉職の給料・年収・待遇完全ガイドも参考にしてください。

まとめ:言語聴覚士にとって介護施設・老健は魅力的な選択肢

介護老人保健施設(老健)は、言語聴覚士が摂食嚥下リハビリの専門性を発揮しながら、ワークライフバランスを整えて働けるフィールドです。2021年の介護保険法改正以降、ST配置による加算制度も整備され、老健でのSTの役割と需要は今後さらに高まることが予想されます。

在宅復帰を目指す利用者とともに歩むやりがい、多職種連携の豊かな経験、安定した就業環境——これらを重視する言語聴覚士にとって、老健への転職は非常に魅力的な選択肢です。

転職を検討中の方は、言語聴覚士(ST)の転職完全ガイド理学療法士(PT)の転職完全ガイドもぜひ参考にしてください。

参考:老人ホームで働く言語聴覚士の仕事内容は?向いている人の特徴も

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