医療・介護職の定年後再雇用と60代の働き方
wellness 就活 編集部

免責事項
本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。
医療・介護職の定年後再雇用制度の仕組み・給与・待遇から、60代での職場選びのポイント、体力管理から年金との関係まで詳しく解説します。看護師・介護福祉士・理学療法士などのセカンドキャリアを成功させる方法をご紹介します。
医療・介護職の定年後再雇用と60代の働き方完全ガイド
定年を迎えた医療・介護の専門職が、60代以降も活躍し続けるための情報をまとめました。長年培ってきた専門知識やスキルは、定年後も大きな価値を持ちます。本記事では、定年後再雇用制度の仕組みから給与・待遇、職場選びのポイント、健康管理まで、60代の医療・介護職が知っておくべき情報を詳しく解説します。
医療・介護職の定年後再雇用の現状
日本の医療・介護業界において、60代以降も働き続ける専門職の割合は年々増加しています。厚生労働省の調査によると、介護事業所の68.0%が65歳以上の労働者を雇用しており、61歳以上を定年とする介護事業所は全体の38.1%、定年なしの事業所は18.0%に上ります。
また、日本の65歳以上の就業率は25.2%(2022年)と、アメリカの18.6%、イギリスの10.9%を大きく上回っており、日本の高齢者は積極的に働き続けていることがわかります。さらに、約80%の日本人労働者が定年後も働き続けたいと考えているという調査結果もあります。
医療・介護業界は深刻な人材不足が続いており、経験豊富なシニア人材を積極的に採用・継続雇用する傾向が強まっています。看護師、介護福祉士、理学療法士などの有資格者は、60代を過ぎても需要が高く、自分のペースで働ける環境を見つけやすい業種です。
定年後再雇用制度の仕組みと法律
高年齢者雇用安定法による義務
高年齢者雇用安定法により、従業員が希望した場合、会社は65歳まで雇用継続する義務があります。具体的には以下の3つの選択肢のいずれかを実施する必要があります。
- 定年の廃止
- 定年の延長(65歳以上への引き上げ)
- 継続雇用制度の導入(再雇用制度・勤務延長制度)
多くの医療機関や介護施設では「継続雇用制度」を採用しており、一旦定年退職した後に、同じ職場で再雇用契約を結ぶ形が一般的です。
再雇用の流れ
| ステップ | 内容 | タイミング |
|---|---|---|
| 1. 意向確認 | 定年後も働く意向を確認 | 定年の6〜12ヶ月前 |
| 2. 面談 | 労働条件・職務内容の協議 | 定年の3〜6ヶ月前 |
| 3. 契約締結 | 再雇用契約の締結 | 定年の1〜3ヶ月前 |
| 4. 再雇用開始 | 新しい条件での勤務開始 | 定年退職日翌日 |
| 5. 更新 | 原則1年ごとの契約更新 | 毎年 |
詳しい転職・キャリアの情報については、医療・介護・福祉職の給料・年収・待遇完全ガイドもあわせてご確認ください。
60代の医療・介護職の給与と待遇
給与水準の実態
定年後再雇用の給与は、一般的に定年前の50〜80%程度に設定されることが多いです。ただし、医療・介護職は専門資格が必要なため、他業種と比べて給与水準の低下幅が小さい傾向にあります。

厚生労働省の調査によると、60歳以上の介護職の平均給与は27万9,880円、特別養護老人ホームでは31万300円となっています。資格や経験を持つ専門職は、再雇用後も相応の報酬を得ることができます。
なお、再雇用された人の約4人に1人が賃金・待遇について「想定外」(不満)と感じているというデータもあります。事前に労働条件を十分に確認し、可能であれば書面で明文化しておくことが重要です。
雇用形態と働き方
60代の医療・介護職では、さまざまな雇用形態を選択できます。
- フルタイム正社員(再雇用):従来と同様の勤務時間、責任ある役割の継続
- パート・アルバイト:週3〜4日、時短勤務など柔軟なシフト
- 派遣社員:複数の施設で経験を活かす、短期・中期の就労
- 非常勤・嘱託:専門知識を活かした顧問的な立場での勤務
体力や生活スタイルに合わせて働き方を選べる点が、医療・介護職の強みです。介護職の派遣・パート・アルバイトの働き方ガイドでは、非正規雇用の詳細を解説しています。
60代で選ばれる職場と職種
介護職の場合
性別によって選ばれる職場に違いがあります。

- 男性:送迎ドライバーを兼ねた通所介護(デイサービス)施設での勤務が多い
- 女性:家事経験を活かせる訪問介護ヘルパーとして活躍する方が多い
体力的な負担が比較的少ないグループホームや訪問介護なども、60代に人気の職場です。
看護師の場合
60代の看護師(プラチナナース)が活躍しやすい職場としては以下が挙げられます。
- クリニック・外来:急変対応が少なく、体力的負担が軽い
- 訪問看護:自分のペースで仕事ができる
- 健診センター:定期的な業務で予測しやすい働き方
- 介護施設の看護師:医療的ケアのニーズに応える
詳細は看護師の転職完全ガイドをご参照ください。
医療・介護以外での活躍
長年の経験を活かした新しいキャリアも選択肢のひとつです。
- 医療系教育機関での講師・指導員
- 介護職員研修の講師
- ケアマネジャーとしての相談業務
- 医療・福祉コンサルタント
医療・介護・福祉の独立・開業・フリーランスガイドでは、独立を考える方向けの情報をまとめています。
体力・健康管理と労災対策
60代の体力維持と職場選びの注意点
医療・介護職は身体的負担が大きい職種です。厚生労働省のデータによると、社会福祉施設で発生している労災の原因は「動作の反動・無理な動作」が35.0%で最も多く、次いで「転倒」が34.3%と続きます。
60代以降は体力や反射神経の低下を踏まえ、以下の点に注意して職場を選ぶことが大切です。
- 移乗介助や重い患者の移動が少ない職場を選ぶ
- 夜勤のない日勤のみの勤務を検討する
- 福祉用具(リフト・スライディングボード等)が整備された施設を選ぶ
- 定期的な休憩・短時間勤務を認めてくれる職場を探す
介護職の腰痛対策と体力面の自己管理法では、身体への負担を減らすための具体的な方法を紹介しています。
健康診断と自己管理
再雇用後も定期健康診断を受け、自分の体力・健康状態を正確に把握することが重要です。高血圧、糖尿病、腰痛などの持病がある場合は、主治医に相談しながら無理のない勤務形態を選択しましょう。
年金との関係と収入設計
在職老齢年金の仕組み
60代で働きながら年金を受給する場合、在職老齢年金制度の影響を受けます。月収と年金月額の合計が一定額を超えると、年金が一部または全額支給停止になる場合があります(2024年現在、基準額は月50万円)。
実際には、多くの60代の医療・介護職は再雇用後の給与が年金停止の基準を超えないことが多いため、年金と給与の両方を受け取ることができます。ただし、個人の状況によって異なるため、年金事務所や社会保険労務士に相談することをお勧めします。
収入シミュレーション例
| 状況 | 再雇用給与(月) | 年金(月) | 合計収入(月) |
|---|---|---|---|
| フルタイム介護士 | 約22〜25万円 | 約10〜15万円 | 約32〜40万円 |
| パート介護士(週4日) | 約12〜18万円 | 約10〜15万円 | 約22〜33万円 |
| 訪問看護師(常勤) | 約25〜30万円 | 約10〜15万円 | 約35〜45万円 |
| 非常勤クリニック看護師 | 約15〜20万円 | 約10〜15万円 | 約25〜35万円 |
※個人の職歴・資格・勤務形態により大きく異なります
職場選びの成功ポイント
60代で医療・介護職として再就職・継続雇用を成功させるためのポイントをまとめます。

1. 職場見学・試用期間を活用する
書類だけでは分からない職場の雰囲気、スタッフの年齢層、実際の業務量を事前に確認しましょう。可能であれば、試用期間を設けることで、双方のミスマッチを防ぐことができます。
2. 労働条件は必ず書面で確認する
再雇用では口約束で終わりがちですが、給与・手当・シフト・有給休暇・契約更新条件は必ず書面(労働契約書)で確認しましょう。医療・介護・福祉の履歴書・面接対策完全ガイドでは、契約時のチェックポイントも紹介しています。
3. 専門資格を活かした職場を選ぶ
介護福祉士、看護師、理学療法士などの国家資格は、60代以降も大きな強みです。資格を最大限に活かせる職場を選ぶことで、適切な処遇を受けることができます。
4. 転職支援サービスを利用する
定年後の転職・再就職においても、専門の転職サービスを活用することをお勧めします。医療・介護・福祉の転職サイト・エージェント徹底比較では、60代のシニア人材向けのサービスも含めて紹介しています。
まとめ:60代の医療・介護職のセカンドキャリア
医療・介護の専門職は、60代以降も社会から求められる存在です。長年の経験と専門知識は、定年後も大きな価値を持ちます。
再雇用を成功させるための3つのポイント:
- 早めの準備:定年の1〜2年前から情報収集を始め、職場や勤務形態を検討する
- 条件の明確化:給与・シフト・契約内容を書面で確認し、曖昧な約束を避ける
- 体力に合わせた働き方の選択:フルタイムにこだわらず、パートや非常勤も積極的に検討する
60代という人生の新たなステージで、自分のペースで社会に貢献できる仕事を見つけましょう。医療・介護業界の働き方改革とワークライフバランスでは、現代の医療・介護職の多様な働き方についてさらに詳しく解説しています。
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参考資料:
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