医療・介護職の有給休暇の取得率と取り方のコツ
wellness 就活 編集部

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本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。
医療・介護職の有給休暇取得率の現状と、上手に有給を取るための具体的なコツを徹底的に解説します。2019年施行の年5日取得義務などの法律知識から、看護師・介護職・医療事務別の申請テクニックまで網羅した実践的なガイドです。
医療・介護職の有給休暇の取得率と取り方のコツ|現場で使える実践ガイド
医療・介護の現場で働いていると、「有給休暇がなかなか取れない」「申請しにくい雰囲気がある」と感じている方も多いのではないでしょうか。実は、厚生労働省の最新調査では医療業種の有給取得率は80.6%と全業種のトップクラスに位置しています。とはいえ、職場によっては依然として有給を取りにくい環境も存在します。本記事では、医療・介護職が有給休暇をスムーズに取得するための具体的なコツと、知っておくべき法律知識を詳しく解説します。
医療・介護職の有給休暇取得率の現状
令和6年就労条件総合調査(厚生労働省)によると、令和5年(2023年)の全産業平均の年次有給休暇取得率は65.3%で、昭和59年以降の過去最高を記録しました。
業種別で見ると、医療業種の有給取得率は80.6%と非常に高い水準にあります。一方で、「医療・福祉」全体では60.3%と、医療機関によって取得状況に大きな差があることが分かります。
取得率が低くなりやすい職場の特徴
- 小規模クリニック・診療所(スタッフが少なく代替が効きにくい)
- 夜勤・交代制シフトの多い急性期病院
- 人員配置がギリギリの介護施設
- 有給申請を「空気」で抑制している職場
介護職の有給休暇事情(ウィルオブ介護)によると、「人員不足」や「職場の雰囲気」を理由に有給を取りにくいと感じている介護職員が多いとされています。
有給休暇に関する法律の基本知識
医療・介護職であっても、労働基準法の有給休暇に関する規定は完全に適用されます。自分の権利をしっかり理解しておきましょう。

有給休暇の付与日数
| 勤続年数 | 付与日数 |
|---|---|
| 6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月 | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 20日 |
※週所定労働日数が5日以上または週30時間以上の場合の日数
2019年から施行された「年5日取得義務」
年5日の有給取得義務(日立ソリューションズ)によると、2019年4月以降、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、年5日の有給取得が使用者の義務となっています。
この義務に違反した場合、事業主には30万円以下の罰金が科される可能性があります。つまり、会社は従業員に有給を取得させなければならない義務があるのです。
この法律を知っておくことで、「有給が取りにくい」と感じている場合でも、正当に権利を主張する根拠になります。
有給休暇を取りやすくする7つのコツ
看護師の有給休暇取得のコツ(レバウェル看護)を参考に、医療・介護職全般に使える具体的な方法をまとめました。

1. シフト確定前に早めに申請する
最も効果的な方法は、シフトが作成される前に有給希望を伝えることです。シフト作成後に申請すると代替要員の確保が困難になりますが、作成前であればスケジュール調整が容易です。
- 毎月のシフト締め切り日を確認する
- 締め切りの1〜2週間前に申請する
- できれば口頭で上長に事前報告してから書面申請する
2. 繁忙期を避けて計画的に申請する
医療・介護職には繁忙期があります。有給を取りやすいタイミングを把握しておきましょう。
| 職種 | 繁忙期(有給が取りにくい時期) | 比較的取りやすい時期 |
|---|---|---|
| 看護師 | 12月〜1月(急患増加)、4月(新人入職) | 6〜8月、秋(10〜11月) |
| 介護職 | 年度末・年度始め、感染症流行期 | ゴールデンウィーク明け、夏季 |
| 医療事務 | 月初・月末(請求業務)、年度変わり | 月中旬、閑散期 |
3. 理由を添えて申請する(任意だが効果的)
法律上、有給休暇の取得理由を会社に告げる義務はありません。しかし、職場の雰囲気によっては「私用のため」だけより、具体的な理由を添えると承認されやすいケースがあります。
- 「家族の記念日のため」
- 「通院のため」
- 「資格取得のための勉強のため」
4. 同僚との情報共有・業務引継ぎを丁寧に行う
有給取得で迷惑をかけないよう、事前の業務引継ぎを徹底することが信頼関係の構築につながります。休暇前に以下を準備しましょう。
- 担当患者・利用者の状況を記録・共有
- 緊急連絡先の整理
- 未処理業務のリストアップと優先順位付け
5. チームで有給取得の文化をつくる
個人の努力だけでなく、チーム全体で有給取得を促し合う文化が理想です。自分が有給を取ったら、同僚の有給申請にも協力的な姿勢を見せることで、職場全体の取得率が向上します。
6. 計画年休制度を活用する
事業所によっては、労使協定で計画年休(あらかじめ有給取得日を決める制度)を設けている場合があります。自分で申請するハードルが低いため、活用できる場合は積極的に使いましょう。
7. それでも取れない場合は転職を検討する
制度が整っていても運用されていない職場では、個人の努力には限界があります。看護師・介護職の転職サイト・エージェント比較を活用して、有給取得率が高い職場を探すことも重要な選択肢です。
職種別:有給休暇の取り方と注意点
看護師の有給休暇
看護師の休日・有給事情(レバウェル看護)によると、看護師の年間休日数は平均110日前後です。病院規模や診療科によって差があります。

取得しやすいポイント:
- 三交代・二交代制の職場では、夜勤明けに有給をつなげる「有給バンク」的な使い方が可能
- 有給休暇と夏季休暇・年末年始を組み合わせて長期休暇を作る
注意点:
- 急性期病院ではスタッフ不足による時季変更権行使が多い
- 有給取得後のカバーを同僚に感謝する姿勢を忘れずに
看護師としてのキャリアを見直したい方は、看護師の転職完全ガイドも参考にしてください。
介護職の有給休暇
介護職は「休みたいのに取りにくい」と感じる方が多い職種です。しかし、大規模施設(有料老人ホーム・特別養護老人ホームなど)では人員が多く、有給を取りやすい傾向があります。
取得しやすい職場の特徴:
- 常勤スタッフが10名以上いる大型施設
- 法人全体で有給取得を推進している事業所
- 派遣・パート活用で柔軟なシフト対応が可能な職場
介護職のキャリアや転職については、介護職・介護福祉士の転職完全ガイドをご覧ください。
医療事務の有給休暇
医療事務は月初・月末の診療報酬請求業務が繁忙期になるため、月中旬(13〜20日頃)が有給を取りやすいタイミングです。小規模クリニックでは人員が限られるため、計画的な申請がより重要になります。
医療事務の転職完全ガイドでは、待遇の良い職場への転職情報も掲載しています。
有給休暇が取れない場合の対処法
どれだけ工夫しても有給が取れない場合、以下の手段を検討してください。
1. 上司ではなく人事部門・労務担当に相談する
職場の上司が有給申請を実質的に拒否している場合、人事部門や労務担当者に相談することが有効です。法律上、正当な理由のない有給拒否は認められません。
2. 労働基準監督署に相談する
有給を全く取得できず、会社側の改善も見られない場合は、労働基準監督署への相談・申告という手段があります。匿名での相談も受け付けています。
3. 有給取得率の高い職場に転職する
根本的な解決策として、有給取得率が高い職場への転職を検討する価値があります。医療・介護・福祉の転職サイト・エージェント徹底比較では、条件の良い求人情報を専任のエージェントが紹介してくれます。
転職に際しては医療・介護・福祉の履歴書・面接対策完全ガイドも活用して、万全の準備を整えましょう。
有給休暇取得率を上げるために職場でできること
個人の取り組みだけでなく、職場全体での取り組みも重要です。
| 取り組み | 効果 | 実施主体 |
|---|---|---|
| 有給取得計画の策定 | 計画的取得が促進される | 管理職・人事 |
| 有給残日数の定期共有 | 消化忘れを防ぐ | 人事・総務 |
| 取得率の部署別公表 | 取得しやすい雰囲気づくり | 管理職 |
| 業務のマニュアル化 | 特定の人に依存しない体制 | チーム全体 |
| 代替要員・応援体制の整備 | 休みやすい環境整備 | 管理職・法人 |
まとめ:有給休暇は権利。上手に活用してキャリアを豊かに
医療・介護職の有給休暇取得率は、制度整備と意識向上により改善が進んでいます。しかし、職場によって差があるのも現実です。
有給休暇を取得するために大切なこと:
- 法律の知識を持つ ― 年5日取得義務など、自分の権利を正しく理解する
- 早めの計画的申請 ― シフト確定前に希望を伝える
- 繁忙期を避ける ― 職場の業務サイクルを把握する
- 業務引継ぎを丁寧に ― 同僚への配慮が取得しやすい文化をつくる
- 取れない場合は職場を変える ― 環境を変えることも正当な選択
有給休暇は労働者の正当な権利です。適切に休暇を取ることは、仕事へのモチベーション維持や、長期的なキャリア継続に欠かせません。医療・介護・福祉職の給料・年収・待遇完全ガイドでは、待遇全般についても詳しく解説しています。
もし現在の職場で有給取得が困難な状況が続くようであれば、転職エージェントへの相談も一つの選択肢です。自分のライフスタイルに合った働き方ができる職場を探してみましょう。
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