wellness 就活wellness 就活
医療・介護業界の働き方改革とワークライフバランス

医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度

公開日:2026年2月24日更新日:2026年2月26日
wellness 就活
執筆

wellness 就活 編集部

医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度

免責事項

本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。

医療・介護職が活用できる介護離職防止の支援制度を徹底解説。介護休業給付金(賃金67%)、2025年4月法改正の義務化内容、介護保険サービスの活用法、実践的な対策まで、仕事と介護の両立を実現するための情報をわかりやすくまとめました。

医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度完全ガイド

医療・介護職として働く方にとって、自分自身も家族の介護を担わなければならない「ダブルケア」の状況は決して他人事ではありません。仕事と介護の板挟みになり、やむなく職を離れる「介護離職」は、2024年には約9.3万人にのぼると報告されており、2000年比で2.4倍以上に増加しています。特に医療・介護の現場で働く方々は、業務の特性上、急な休暇取得や時間の調整が難しく、介護離職のリスクが高い傾向にあります。

本記事では、介護離職を防ぐために活用できる公的支援制度、職場の取り組み、実践的な対策を徹底解説します。2025年4月からの法改正による新しい義務化制度もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

介護離職とは?医療・介護職が直面するリスク

介護離職とは、家族の介護を理由に仕事を辞めることを指します。介護を必要とする家族は突然現れることが多く、準備不足のまま介護と仕事の両立を迫られるケースがほとんどです。

医療・介護職は専門職として社会的に重要な役割を担っていますが、以下のような特有の課題があります。

  • シフト勤務・夜勤の多さ:不規則な勤務体系で介護スケジュールの調整が困難
  • 人手不足の慢性化:職場に休みを申し出にくい職場風土
  • 体力的・精神的消耗:仕事と介護の二重の負担による燃え尽き症候群のリスク
  • 代替要員の確保困難:専門職ゆえに急な休暇が職場に与える影響が大きい

介護職・介護福祉士の転職完全ガイドでは、キャリアの選択肢を広く紹介していますが、まずは現職を続けながら介護と両立できる方法を探ることが重要です。

2025年4月施行!介護離職防止のための法改正ポイント

厚生労働省の仕事と介護の両立支援ページによると、2025年4月1日から事業主に新たな義務が課されました。これにより、企業・施設側の対応が強化されています。

新たに義務化された3つの措置

  1. 個別周知・意向確認の義務化

介護に直面した労働者が申出をした場合、雇用主は両立支援制度に関する情報を個別に周知し、利用意向を確認する義務が生じました。

  1. 早期情報提供の義務化

40歳等の介護に直面する前の早い段階で、両立支援制度に関する情報を提供することが義務化されました。将来の介護に備えた準備を促す重要な取り組みです。

  1. 雇用環境整備の義務化

研修の実施、相談窓口の設置など、仕事と介護を両立しやすい職場環境の整備が義務付けられました。

これらの制度は、医療機関・介護施設で働く方々にも適用されます。職場にこれらの制度が整っているか確認し、必要に応じて人事部門や上司に相談してみましょう。

活用できる主要な公的支援制度一覧

介護離職を防ぐために活用できる公的支援制度をまとめました。

活用できる主要な公的支援制度一覧 - illustration for 医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度
活用できる主要な公的支援制度一覧 - illustration for 医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度
制度名概要対象者給付・条件
介護休業制度要介護状態の家族1人につき通算93日まで休業可能雇用保険被保険者3回まで分割取得可
介護休業給付金介護休業中の経済的支援雇用保険被保険者休業前賃金の67%
介護休暇制度1年度に5日(家族2人以上は10日)取得可能すべての労働者時間単位での取得可
短時間勤務等の措置所定労働時間の短縮など介護を行う労働者利用開始から3年以上
フレックスタイム制始業・終業時刻の調整導入企業の労働者企業ごとに条件が異なる
転勤配慮制度介護を理由とした転勤免除・配慮介護を行う労働者企業に努力義務

生命保険文化センターの介護離職に関するページでは、これらの制度の詳細な解説と活用方法が紹介されています。

介護休業給付金の受給条件と手続き

介護休業給付金は雇用保険から支給される重要な経済的支援です。受給するためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 雇用保険の被保険者であること
  • 介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること
  • 介護休業期間中に事業主から支払われる賃金が、休業前賃金の80%未満であること

給付額は休業開始時賃金日額×支給日数×67%で計算されます。申請はハローワークを通じて行い、事業主の協力が必要です。

職場で活用できる介護との両立支援の取り組み

医療・介護の職場でも、各施設が独自の両立支援制度を設けているケースが増えています。介護と仕事の両立支援事例を紹介するページによると、以下のような取り組みが効果を上げています。

職場で活用できる介護との両立支援の取り組み - illustration for 医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度
職場で活用できる介護との両立支援の取り組み - illustration for 医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度

効果的な職場の支援制度

PR

株式会社JJメディケアキャリア

株式会社JJメディケアキャリア

看護師応援プロジェクト実施中!看護師転職サイトナースJJ会員登録促進

詳しく見る

1. 短時間正社員制度の導入

フルタイム勤務から短時間正社員に転換することで、介護時間を確保しながらキャリアを継続できます。医療・介護施設でもこの制度の導入が進んでいます。

2. 介護応援休暇の設置

法定の介護休暇とは別に、施設独自の介護応援休暇を設けるケースが増えています。有給・無給の別や日数は施設によって異なります。

3. 相談窓口の充実

介護に関する問題を気軽に相談できる窓口の設置は、離職防止において特に効果的です。産業ソーシャルワーカーやEAP(従業員支援プログラム)を活用する施設も増えています。

4. ICTを活用した業務効率化

電子カルテや介護ソフトの活用により、業務効率が向上し、定時退勤率が上がることで介護との両立がしやすくなります。

5. チーム体制の強化

個人への依存度を下げ、チームで業務をカバーできる体制を整えることで、急な休暇取得が取りやすい環境が生まれます。

介護保険サービスを最大限活用する

仕事と介護の両立において、介護保険サービスの活用は欠かせません。「自分で介護をしすぎない」ことが、介護離職を防ぐための重要なポイントです。

活用したい主な介護保険サービス

訪問系サービス

  • 訪問介護(ホームヘルプ):身体介護・生活援助
  • 訪問看護:医療行為を含むケア
  • 訪問リハビリテーション:自宅での機能訓練

通所系サービス

  • デイサービス:日中の介護・社会交流
  • デイケア(通所リハビリ):医学的管理下でのリハビリ

宿泊・短期入所サービス

  • ショートステイ:短期入所生活介護・医療型
  • 介護老人保健施設:一時的な入所ケア

医療・介護職として働く方は、介護保険の知識があることを活かして、早めに申請手続きを行い、ケアマネジャーに具体的な相談をすることをお勧めします。ケアマネジャーへの信頼と早期相談が、仕事と介護の両立を成功させる鍵です。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の転職完全ガイドでは、ケアマネジャーの役割と活用法についても詳しく解説しています。

介護離職を防ぐための実践的なステップ

介護離職を防ぐためには、早期の準備と情報収集が重要です。以下のステップを参考に、計画的に対策を進めましょう。

介護離職を防ぐための実践的なステップ - illustration for 医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度
介護離職を防ぐための実践的なステップ - illustration for 医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度
介護離職を防ぐための実践的なステップ - illustration for 医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度
介護離職を防ぐための実践的なステップ - illustration for 医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度

ステップ1:職場の制度を把握する

まず、自分の職場にどのような両立支援制度があるか確認しましょう。2025年4月以降、40歳になると事業主から情報提供が行われるようになりましたが、積極的に人事部門に問い合わせることも重要です。

ステップ2:家族と話し合い、役割分担を決める

介護は一人で抱え込まないことが大切です。兄弟・姉妹、配偶者、親族との役割分担を早めに話し合い、介護の担い手を分散させましょう。

ステップ3:地域の相談窓口を活用する

市区町村の地域包括支援センターは、介護に関する総合的な相談窓口です。介護保険の申請方法、利用できるサービス、費用の見通しなど、専門家に無料で相談できます。

ステップ4:職場の上司・同僚に早めに相談する

介護が始まったら、職場の上司や同僚に早めに状況を伝えましょう。情報を共有することで、急な休暇取得時のカバー体制が整いやすくなります。介護を「隠す」ことは、後々の離職リスクを高めます。

ステップ5:自分の健康管理を怠らない

介護者自身の健康管理も重要です。医療・介護・福祉職の給料・年収・待遇完全ガイドでも解説しているように、福利厚生制度を活用して定期的な健康チェックと休養を取ることが、長期的な両立の基盤となります。

転職を検討する場合の注意点

どうしても現職での両立が難しい場合、介護に理解のある職場への転職も選択肢の一つです。ただし、転職する際には以下の点に注意しましょう。

確認すべき職場の条件

  • 介護休業・介護休暇の取得実績があるか
  • 短時間正社員制度や時短勤務制度があるか
  • 夜勤免除や日勤のみへの配置変換が可能か
  • 職場の人間関係・チームワークが良好か
  • 相談しやすい管理職がいるか

看護師の転職完全ガイド医療・介護・福祉の転職サイト・エージェント徹底比較では、介護との両立がしやすい職場の探し方についても詳しく解説しています。

また、介護離職ゼロを目指す厚生労働省のポータルサイトでは、介護を理由に退職を検討している方への情報が集約されています。

まとめ

医療・介護職の介護離職を防ぐための支援制度と実践的な対策をまとめました。

  • 公的制度:介護休業(93日・3分割)、介護休業給付金(賃金の67%)、介護休暇(年5〜10日)を積極的に活用
  • 2025年4月法改正:個別周知・意向確認、早期情報提供、雇用環境整備が事業主に義務化
  • 介護保険サービス:訪問介護、デイサービス、ショートステイを上手に活用して介護負担を軽減
  • 職場での対策:早めの情報共有、制度の把握、相談窓口の活用が重要
  • 転職時:介護への理解が深い職場を選ぶことで、長期的なキャリア継続が可能

介護は誰にでも突然訪れる可能性があります。今から準備を始めることで、いざというときに慌てることなく、仕事と介護を両立できる体制を整えることができます。一人で抱え込まず、職場・家族・地域の支援制度を最大限に活用していきましょう。

関連記事

働きやすい医療・介護施設の見分け方チェックリスト

働きやすい医療・介護施設の見分け方チェックリスト

医療・介護施設で働きやすい職場を見つけるための完全チェックリスト。スタッフの様子、離職率、労働条件、施設環境など、施設見学や面接時に確認すべき7つの重要なポイントを徹底解説します。転職前に必ずチェック!

続きを読む →
医療・介護職の労働組合と権利を守る方法

医療・介護職の労働組合と権利を守る方法

医療・介護職が直面するサービス残業・ハラスメントなどの労働問題を解決するために、労働組合(ユニオン)への加入方法・メリット・相談窓口を徹底解説。日本医労連の活用法や権利保護の具体的な手順を紹介します。

続きを読む →
医療・介護職の定年後再雇用と60代の働き方

医療・介護職の定年後再雇用と60代の働き方

医療・介護職の定年後再雇用制度の仕組み・給与・待遇から、60代での職場選びのポイント、体力管理から年金との関係まで詳しく解説します。看護師・介護福祉士・理学療法士などのセカンドキャリアを成功させる方法をご紹介します。

続きを読む →
医療・介護職のダブルワーク・副業の始め方

医療・介護職のダブルワーク・副業の始め方

医療・介護職のダブルワーク・副業の始め方を徹底解説。就業規則の確認方法、看護師・介護士におすすめの副業8選と時給相場、確定申告や住民税の対応方法、労働時間管理と体調管理のポイントをわかりやすく紹介します。

続きを読む →
医療・介護職の転職と引っ越し・Uターン転職

医療・介護職の転職と引っ越し・Uターン転職

医療・介護職のUターン転職・引っ越しを伴う転職を徹底解説。移住支援金(最大100万円)、雇用保険の移転費制度、転居手当など活用できる支援制度から、転職の具体的な進め方・注意点まで網羅。看護師・介護士・PTなど職種別のポイントも紹介。

続きを読む →
医療・介護職の人間関係ストレスの解消法

医療・介護職の人間関係ストレスの解消法

医療・介護職の人間関係ストレスの原因と効果的な解消法を徹底解説。職場でのコミュニケーション改善から、プライベートでのリセット法、転職を考えるべきサインまで、現場で使える実践的アドバイスをまとめました。バーンアウトを防ぎ、長く働き続けるためのヒントが満載です。

続きを読む →