介護老人保健施設(老健)で働く魅力と転職方法
wellness 就活 編集部

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介護老人保健施設(老健)で働く魅力・仕事内容・給与・転職成功のポイントを徹底解説。医療・リハビリが充実した多職種連携の職場環境で、介護職・看護職・リハビリ職がスキルアップするための老健への転職完全ガイドです。
介護老人保健施設(老健)で働く魅力と転職方法|仕事内容・給与・向いている人を解説
介護老人保健施設(老健)は、病院と自宅の中間に位置する「中間施設」として、高齢者の在宅復帰を支援する重要な役割を担っています。医療とリハビリが充実した環境で多職種と連携しながら働ける老健は、介護職・看護職・リハビリ職などのキャリアアップを目指す方にとって魅力的な職場です。本記事では、老健の特徴や仕事内容、働く魅力、転職を成功させるポイントについて詳しく解説します。
介護老人保健施設(老健)とはどんな施設?
介護老人保健施設(老健)は、介護保険法に基づく施設サービスの一つで、病気や怪我により入院していた高齢者が、退院後に在宅へ復帰できるよう支援することを目的とした施設です。「病院でもなく、特別養護老人ホームでもない」中間的な施設として位置づけられています。
老健の入所対象は、要介護1以上の認定を受けた65歳以上の方(特定疾病がある場合は40歳以上)。通常の入所期間は3〜6ヶ月程度で、在宅復帰を目標としているため、入れ替わりが比較的頻繁に発生します。
全国老人保健施設協会(全老健)によると、日本全国に約4,300施設以上の老健が存在しており、約36万人の入所者が生活しています。2024年の介護報酬改定においても、老健の在宅復帰・在宅療養支援機能がさらに強化されており、その社会的重要性は高まっています。
他の施設との大きな違いとして、老健は常勤医師の配置が義務付けられており、医療的ケアが充実している点が挙げられます。また、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)などリハビリ専門職の配置も義務付けられており、本格的なリハビリテーションが提供できる体制が整っています。
参考:介護老人保健施設とはどんな施設?仕事内容や働くメリットについてわかりやすく解説
老健で働く職種と仕事内容
老健では、医療・介護・リハビリ・相談支援など多様な職種が連携して業務にあたります。それぞれの役割を理解することで、あなたの職種がどのように活躍できるかイメージしやすくなります。

| 職種 | 主な仕事内容 | 配置 |
|---|---|---|
| 介護職員 | 食事・入浴・排泄介助、日常生活支援 | 義務(多数配置) |
| 看護師 | 医療的ケア、バイタル測定、服薬管理 | 義務(常勤) |
| 医師 | 診察、治療方針決定、多職種連携 | 義務(常勤1名以上) |
| 理学療法士(PT) | 身体機能回復訓練、歩行・動作練習 | 義務 |
| 作業療法士(OT) | 日常生活動作訓練、認知機能訓練 | 義務 |
| 言語聴覚士(ST) | 言語機能・嚥下機能訓練 | 義務 |
| 支援相談員 | 入退所相談、家族支援、地域連携 | 義務 |
| 管理栄養士 | 食事計画、栄養管理 | 義務 |
介護職員の主な仕事内容
老健で働く介護職員の主な仕事内容は、利用者の日常生活全般のサポートです。具体的には、朝の起床介助から始まり、食事介助・服薬確認・口腔ケア・入浴介助・排泄介助・就寝介助といった流れで業務が進みます。
特養と大きく異なるのは、在宅復帰を目指すリハビリとの連携が重要という点。介護職員は、リハビリ専門職と情報共有しながら、日常生活の中で利用者の機能回復を意識したケアを提供します。「利用者さんが自力で歩けるようになった」「自宅に戻れた」などの成果を間近で見られるのは、老健ならではのやりがいです。
参考:老健の仕事内容を解説!介護職員の1日の流れや働くメリット・デメリット
老健で働く魅力・メリット
老健には、介護職・医療職・リハビリ職それぞれにとって魅力的なポイントがあります。

1. 医療知識・リハビリ知識が深まる
老健は医師や看護師が常駐し、リハビリ専門職も義務配置されています。そのため、一般的な介護施設よりも医療的ケアやリハビリに関する知識・スキルを習得しやすい環境です。多職種連携のカンファレンスに参加することで、医学的な視点から利用者を理解する力も養われます。
2. 利用者の回復を目の当たりにできる
在宅復帰を目標とする老健では、入所時は歩行困難だった方が、退所時には自力で歩けるようになるケースも珍しくありません。利用者の回復過程をサポートし、自宅復帰という目標を達成できた時の達成感は格別です。「ありがとう」の一言が、仕事への大きな励みになります。
3. 多職種との連携スキルが身につく
老健では介護・看護・リハビリ・相談員・栄養士など多様な専門職がチームで動きます。定期的に開催されるケアカンファレンスで各職種が意見を出し合い、個別のケア計画を作成します。こうした環境でコミュニケーション力やチームワーク力が自然と磨かれます。
4. 夜勤手当などの収入アップが見込める
老健は24時間体制で運営されているため、夜勤業務があります。夜勤手当(1回5,000〜10,000円程度が多い)が付くことで、月収アップが期待できます。経験を積むことで主任や施設長などの管理職へのキャリアアップも可能です。
5. 転職市場での評価が高まる
老健での勤務経験は、「医療連携ができる介護職」「多職種連携の経験がある」として転職市場で高く評価されます。特に医療系施設や在宅系サービスへの転職を考えている方にとって、老健勤務は大きなアドバンテージになります。
参考:老健(介護老人保健施設)とは?施設要件、スタッフの仕事内容・給与などをまとめました
老健で働くデメリット・注意点
もちろん老健での就労にはデメリットや注意点もあります。転職前にしっかり把握しておきましょう。
入れ替わりが多く関係構築が難しい
老健は在宅復帰を目指す中間施設のため、入所期間が3〜6ヶ月と短く、利用者の入れ替わりが頻繁に発生します。毎回新しい利用者との関係を一から構築する必要があるため、コミュニケーション力が必要です。長期的な関係を大切にしたい方は、特養などの施設の方が合っている場合もあります。
医療的ケアの多さに戸惑う場合も
医療色が強い分、介護職員も吸引や経管栄養など医療的ケアに関わる場面が多くなります。初めて老健に転職した方は「病院みたいで戸惑った」という声も。ただし、これはスキルアップのチャンスでもあります。
目標達成のプレッシャー
「在宅復帰率」という数値目標が設けられている老健もあり、職員全体がその目標に向けて取り組む文化があります。プレッシャーを感じやすい方は、事前に職場の雰囲気を確認しておくことをおすすめします。
老健への転職を成功させる方法
老健への転職を成功させるためには、事前準備と戦略が重要です。以下のポイントを押さえて転職活動を進めましょう。

自分の職種に合った転職サイトを活用する
介護職・看護職・リハビリ職など、職種によって強みのある転職サービスが異なります。複数の転職エージェントに登録して、非公開求人も含めて幅広く情報収集しましょう。老健に特化した求人を多く扱うサービスを選ぶことも重要です。
詳しい転職サービスの比較は、医療・介護・福祉の転職サイト・エージェント徹底比較をご覧ください。
志望動機を明確にする
老健への転職では「なぜ老健なのか」を明確に説明できることが重要です。採用側は「環境が変わっても長く働けるか」「多職種連携の中で役割を果たせるか」を重視します。
志望動機の例:
- 「在宅復帰支援に携わることで、介護の真のゴールを体感したい」
- 「リハビリ専門職と連携してスキルアップしたい」
- 「医療的知識を深めながら、より質の高い介護を提供したい」
詳しい履歴書・面接の対策は、医療・介護・福祉の履歴書・面接対策完全ガイドを参考にしてください。
見学・施設の雰囲気確認を必ず行う
求人票だけでは分からない職場の雰囲気を把握するため、必ず施設見学を申し込みましょう。見学時のチェックポイントとして、スタッフ同士の関係性・利用者の様子・清潔感などを確認します。
参考:特養と老健はどちらが働きやすい?特徴の違いを押さえて転職を成功させよう
給与条件を事前に確認する
老健での給与は施設によって大きな差があります。夜勤手当・処遇改善加算・資格手当・各種手当の有無を必ず確認しましょう。給与に関する詳細は、医療・介護・福祉職の給料・年収・待遇完全ガイドをご参照ください。
老健で働くのに向いている人・向いていない人
向いている人
- 医療・リハビリとの連携に興味がある人
- 利用者の回復・在宅復帰をサポートしたい人
- 多職種チームで働くことが好きな人
- コミュニケーション能力が高く、新しい関係を築くのが得意な人
- 医療的ケアのスキルを高めたい人
- キャリアアップ・スキルアップを目指している人
向いていない人
- 長期的に同じ利用者と関わり続けたい人(特養向き)
- 医療色が濃い環境が苦手な人
- プレッシャーに弱い人
まとめ:老健は成長できる環境が整った施設
介護老人保健施設(老健)は、医療・リハビリ・介護が融合した独自の職場環境が特徴です。利用者の在宅復帰という明確な目標に向かって多職種が連携する老健での経験は、あなたのキャリアに大きなプラスをもたらします。
転職を考える際は、介護職・介護福祉士の転職完全ガイドや理学療法士(PT)の転職完全ガイドなども参考にして、自分のキャリアプランに合った転職活動を進めましょう。
老健への転職を成功させるカギは、「なぜ老健で働きたいのか」を明確にして、在宅復帰支援への熱意を伝えること。あなたのスキルと情熱が、多くの利用者の笑顔と自宅への帰還を支えることができます。
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