保健所・保健センターで働く方法と仕事内容
wellness 就活 編集部

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本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。
保健所・保健センターで働くための採用試験の流れ・必要資格・職種別仕事内容・給与・福利厚生を詳しく解説。保健師・管理栄養士・薬剤師など多様な専門職の実態と、公務員としての安定した働き方をわかりやすくまとめました。
保健所・保健センターで働く方法と仕事内容|公衆衛生の現場を徹底解説
保健所・保健センターは、地域住民の健康を守る公衆衛生の最前線です。新型コロナウイルス感染症対策で注目を集めたように、感染症対策・精神保健・母子保健・食品衛生など幅広い業務を担っています。医療・介護・福祉の専門職が「安定して社会に貢献できる仕事」として選ぶ職場のひとつであり、公務員としての雇用安定性や充実した福利厚生も魅力です。
この記事では、保健所・保健センターで働くための方法、求められる資格・職種、仕事内容、給与水準、転職・採用のポイントまで詳しく解説します。
保健所と保健センターの違いとは?
保健所と保健センターは名前が似ていますが、設置主体・役割・業務内容が異なります。どちらで働くかを検討する前に、その違いを把握しておきましょう。

保健所は都道府県・政令指定都市・中核市などが設置する機関で、広域的・専門的な公衆衛生サービスを提供します。感染症対策、精神保健福祉、難病対策、食品・環境衛生の監視指導など、専門性の高い業務が中心です。地域の医療機関や保健センターの活動を調整する「地域保健の司令塔」的な役割も担っています。
保健センターは市区町村が設置する機関で、住民に身近な保健サービスを提供します。母子保健(乳幼児健診・予防接種)、成人保健(健康診断・がん検診)、健康相談・訪問指導などが主な業務で、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年代に対応します。
| 項目 | 保健所 | 保健センター |
|---|---|---|
| 設置主体 | 都道府県・政令市・中核市 | 市区町村 |
| 対象エリア | 広域(複数市町村) | 市区町村内 |
| 業務の性質 | 専門的・監視・調整 | 日常的・住民密着 |
| 主な業務 | 感染症対策・精神保健・食品衛生 | 母子保健・健康増進・予防接種 |
| 雇用形態 | 都道府県・政令市等の公務員 | 市区町村の公務員 |
保健所・保健センターで働ける職種と必要な資格
公衆衛生の現場には多様な専門職が活躍しています。厚生労働省・福祉保健の仕事ガイドによると、保健所・保健センターには以下のような職種が配置されています。
主な職種一覧:
- 保健師:地域住民への保健指導・家庭訪問・健康相談が主な業務。公衆衛生の中心的な担い手。
- 医師(医務技監・医監等):感染症対策・精神保健・難病対策などの専門的医療判断を担当。
- 薬剤師:医薬品・麻薬の指導監視、食品衛生検査など。
- 管理栄養士・栄養士(行政栄養士):栄養指導・食育推進・健診後の個別支援。
- 社会福祉士・精神保健福祉士:精神保健相談・生活困窮者支援・虐待対応など。
- 臨床検査技師:感染症の検体検査・食品衛生検査。
- 獣医師:食品衛生・動物由来感染症対策・狂犬病予防など。
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士:リハビリ支援・介護予防事業。
- 診療放射線技師:健診時の撮影業務など。
それぞれの職種は、専門資格の取得後に各自治体の公務員採用試験(専門職試験)に合格することで採用されます。
保健所・保健センターで働く方法|採用試験と選考の流れ
保健所・保健センターへの就職は、基本的に公務員試験を経由します。採用の流れは以下の通りです。

1. 必要資格の取得
各職種に対応した国家資格・専門資格を取得することが前提です。保健師であれば看護師免許・保健師免許、管理栄養士であれば管理栄養士免許が必要です。
2. 公務員採用試験への応募
各都道府県・市区町村が実施する「専門職採用試験」に応募します。試験内容は自治体によって異なりますが、一般的に以下が含まれます:
- 専門試験(各職種の専門知識)
- 教養試験(文章理解・数的推理・社会科学等)
- 面接試験(個別面接・集団面接)
- 論文・作文試験
3. 選考・採用
合格後、配属先が決定します。保健所か保健センターかは自治体の判断によりますが、異動で両方を経験するケースも多いです。
採用に向けた準備のポイント
- 早期からの試験対策:公務員専門職試験は競争率が高い自治体もあり、早期から専門試験・教養試験の対策が必要
- ボランティア・実習経験:公衆衛生や地域保健に関わる経験は面接で有利
- 自治体研究:志望自治体の保健施策・地域課題を把握し、面接で活かす
仕事内容の詳細|保健所・保健センターの日常業務
保健師の1日の仕事の流れ(例)
保健センター勤務の保健師(行政保健師)は、地域住民の健康を守る行政の最前線で働きます。

午前中:
- 乳幼児健診・母子相談(3〜4か月健診、1歳6か月健診など)
- 地域住民からの健康相談受付
- 訪問指導の準備・書類整理
午後:
- 家庭訪問(育児不安を抱える母親・精神疾患患者・独居高齢者など)
- 関係機関(病院・福祉・学校)との連絡調整
- 地域の健康教室・講座の企画・運営
- 統計データ整理・報告書作成
主な業務分野
母子保健:妊婦への保健指導、乳幼児健診、産後うつ支援、虐待予防など。最も直接的に住民と関わる分野のひとつです。
高齢者保健・介護予防:フレイル予防教室、認知症予防、在宅介護者支援。地域包括支援センターとの連携も重要な業務です。
精神保健:うつ病・統合失調症・アルコール依存などの相談対応。精神保健福祉士・社会福祉士との連携が欠かせません。
感染症対策:結核・感染症の発生動向調査、健康観察、濃厚接触者への対応。新型コロナ対応でもこの分野が脚光を浴びました。
成人保健・がん対策:特定健診・がん検診の実施・事後フォロー、生活習慣病予防のための健康教育。
給与・待遇・福利厚生
保健所・保健センターの職員は公務員であるため、給与・待遇は安定しています。公務員保健師の年収データによると:
公務員保健師の給与目安:
| 雇用形態 | 平均年収目安 |
|---|---|
| 地方公務員(都道府県・政令市) | 約520〜575万円 |
| 国家公務員(国立機関) | 約563万円 |
| 初任給(地方公務員) | 月額約20〜22万円 |
| ボーナス | 年間約4.4か月分 |
主な福利厚生・働きやすさ:
- 土日祝日固定休み(完全週休2日)
- 夏季休暇・年末年始休暇あり
- 育児休業・介護休業制度が整備されている
- 退職金制度・共済年金
- 残業は部署・時期によるが、病院勤務より少ない傾向
- ほぼ毎年昇給あり
民間医療機関に比べて初任給がやや低い場合もありますが、長期的な収入安定性・ワークライフバランス・福利厚生の充実が大きな魅力です。
保健所・保健センターで働くメリット・デメリット
メリット
- 公務員としての雇用安定性:民間と異なり、景気の波に左右されない安定した雇用が得られます。
- 地域に貢献できる充実感:住民の健康を直接支える仕事は、やりがいが大きいです。
- ワークライフバランスが良好:土日祝休み・夏季休暇など、プライベートの時間が確保しやすい環境です。
- 専門性を磨ける多様な業務:母子保健・精神保健・感染症対策など幅広い分野に携わることができます。
- チームで働ける環境:多職種連携が充実しており、孤立しにくい職場環境です。
デメリット・注意点
- 採用の倍率が高い:人気の自治体では競争率が高く、採用まで時間がかかることも。
- 異動がある:数年ごとに担当業務や所属が変わる異動制度があります。
- 緊急時の対応負担:感染症のアウトブレイクや災害時には業務が急増します。
- 書類・事務作業が多い:公的機関ならではの書類処理・報告書作成が多い傾向があります。
まとめ|公衆衛生の仕事に就くためのステップ
保健所・保健センターは、地域住民の健康を守る公衆衛生の要です。多様な専門職が連携しながら、感染症対策・母子保健・精神保健・高齢者支援など幅広い分野で活躍しています。
就職・転職を目指す方へのステップ:
- 必要な国家資格・専門資格を取得する
- 志望自治体の採用情報・試験スケジュールを確認する
- 公務員試験(教養・専門)の対策を始める
- ボランティア・実習・研修で現場経験を積む
- 面接で地域保健への志望動機を明確に伝える
公衆衛生の仕事に興味がある方は、まず各自治体の採用情報ページを定期的にチェックし、早めに準備を始めることをおすすめします。
医療・福祉分野での転職・キャリアチェンジについては、医療・介護・福祉の転職サイト・エージェント徹底比較も参考にしてください。また、未経験から医療・介護・福祉業界への転職ガイドでは、資格取得からキャリアアップの方法まで詳しく解説しています。
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参考サイト:
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