精神保健福祉士の就労支援分野への転職ガイド
wellness 就活 編集部

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本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。
精神保健福祉士(PSW)が就労支援分野へ転職する際の仕事内容、就労移行支援・就労継続支援での役割、給与相場、転職成功のポイントを徹底解説。3,300か所以上の就労支援事業所で活躍できる方法をご紹介します。
精神保健福祉士の就労支援分野への転職ガイド|仕事内容・給与・求人の探し方を徹底解説
精神保健福祉士(PSW)として病院や相談機関で働いてきた方の中に、「就労支援の現場で精神障がいのある方の社会参加をより直接的にサポートしたい」と考える方が増えています。就労支援分野は、就労移行支援事業所や就労継続支援A・B型事業所など活躍の場が多く、精神保健福祉士の専門知識を活かせるフィールドとして注目を集めています。
本記事では、精神保健福祉士が就労支援分野へ転職する際の仕事内容、必要なスキル、給与相場、転職のポイントまでを詳しく解説します。
就労支援分野とは?精神保健福祉士が活躍できる場所
就労支援とは、障がいのある方が就職・職場定着できるよう支援するサービスの総称です。精神保健福祉士にとって特に関連性が高い就労支援サービスには以下のものがあります。

就労移行支援事業所
就労移行支援は、一般就労を目指す障がい者に対して、就職に必要な知識・技術の習得や職場実習のあっせんなどを行うサービスです。利用期間は原則2年間で、精神保健福祉士は支援員として利用者一人ひとりの就労計画を作成し、日々の訓練プログラムや面接対策などを担当します。
全国には3,300か所以上の就労移行支援事業所があり、精神障がいを持つ利用者が増加していることから、精神保健福祉士の需要が高まっています。LITALICOキャリアによると、就労移行支援での精神保健福祉士の役割は多岐にわたるとされています。
就労継続支援A型・B型事業所
就労継続支援A型は雇用契約を結んで働く場、B型は雇用契約なしで軽作業等に従事する場です。精神保健福祉士は、利用者の体調管理や就労上の相談対応、職場環境の調整などを担当します。
ハローワーク・障害者就業・生活支援センター
ハローワークの専門援助部門や障害者就業・生活支援センターでも精神保健福祉士の活躍の場があります。公的機関での就労支援は、より広域の支援ネットワークを活用できる点が特徴です。
就労支援分野での精神保健福祉士の仕事内容
就労支援事業所における精神保健福祉士の業務は多岐にわたります。コメディカルドットコムの解説によると、主な仕事内容は以下のとおりです。

| 業務カテゴリ | 具体的な内容 |
|---|---|
| アセスメント・計画作成 | 利用者の就労ニーズや能力のアセスメント、個別支援計画の作成 |
| 訓練プログラムの実施 | ビジネスマナー、コミュニケーション、PC操作などの訓練 |
| 職場開拓・企業交渉 | 実習先や就職先となる企業の開拓、条件交渉 |
| 就職活動サポート | 履歴書・職務経歴書の作成支援、面接練習 |
| 定着支援 | 就職後の職場訪問、本人・企業双方への相談対応 |
| 相談・カウンセリング | 日常的な相談対応、メンタル面でのサポート |
| 関係機関との連携 | 医療機関、行政、家族との連絡調整 |
精神保健福祉士の強みは、精神疾患に関する専門的知識と、対人支援スキルです。利用者が安心して就労訓練に取り組めるよう、医療面・生活面・就労面を統合的に支援できることが大きな強みとなります。
就労支援分野への転職で求められるスキル・経験
精神疾患に関する専門知識
統合失調症、うつ病、双極性障害、発達障害など、主要な精神疾患の症状・治療・回復プロセスについての理解が必須です。利用者の体調変化に気づき、適切に対応するためにも、医療との連携を円滑に行うためにも、この知識は不可欠です。
個別支援計画の作成能力
利用者一人ひとりのニーズ、強み、生活環境を踏まえた個別支援計画(サービス等利用計画)を作成する能力が求められます。計画作成にはアセスメントスキルと記録作成能力が必要です。
企業・地域との連携力
就労支援では、企業側の担当者との交渉・調整が日常業務に含まれます。ハローワークや医療機関、家族など多くの関係者と連携するコーディネート力も重要です。
危機対応力
精神障がいのある利用者の中には、訓練中に症状が悪化したり、突発的なトラブルが生じたりするケースもあります。冷静な判断で適切に対応し、必要に応じて医療機関へのつなぎができる能力が求められます。
就労支援分野の給与・年収相場
精神保健福祉士が就労支援事業所で働く場合の給与は、経験や施設の規模・種別によって異なりますが、おおよその相場は以下のとおりです。
| 施設種別 | 月給相場 | 年収相場 |
|---|---|---|
| 就労移行支援事業所 | 22〜30万円 | 280〜380万円 |
| 就労継続支援A型 | 20〜28万円 | 250〜340万円 |
| 就労継続支援B型 | 19〜27万円 | 230〜330万円 |
| 障害者就業・生活支援センター | 22〜32万円 | 270〜400万円 |
病院勤務の精神保健福祉士と比べると、就労支援事業所の給与はやや低い傾向がありますが、民間の就労移行支援事業所では、成果報酬や資格手当が充実しているケースもあります。転職エージェントを活用することで、より条件の良い求人を見つけやすくなります。
転職を成功させるためのポイント
転職の動機を明確にする
「なぜ病院から就労支援へ転職するのか」「就労支援でどんな支援を実現したいのか」を明確にしておくことが大切です。面接では必ずこの点について問われるため、具体的なエピソードを交えて説明できるよう準備しましょう。

就労支援に関する知識を事前に習得する
障害者総合支援法の仕組み、各事業所の種別・役割、利用者の支給決定フロー、個別支援計画の書き方など、就労支援に特有の知識を転職前に習得しておくと有利です。見学や実習の機会があれば積極的に活用しましょう。
専門の転職エージェントを活用する
精神保健福祉士の求人は一般の求人サイトには少なく、福祉・医療専門の転職エージェントを利用することが効果的です。転職サイト・エージェントの選び方については、専門情報を参照するのがおすすめです。
おすすめの転職エージェント
- LITALICOキャリア:就労支援・福祉専門で求人が豊富
- コメディカルドットコム:医療・福祉系に強く、毎日新着求人あり
- ジョブメドレー:精神保健福祉士専門求人を多数掲載
施設見学で職場環境を確認する
就労支援事業所はその理念や運営方針が多様です。利用者との関わり方、スタッフの雰囲気、定着支援への取り組みなど、求人票だけでは分からない情報を見学で確認することをおすすめします。
就労支援での精神保健福祉士のやりがいと課題
やりがい
就労支援分野の最大のやりがいは、利用者が就職を実現する瞬間に立ち会えることです。長期間の支援を経て、利用者が自分に合った職場で働き始めたとき、支援者としての達成感は格別です。
また、医療機関では「治療のサポート」が中心となりますが、就労支援では「生活の自立・社会参加」という、より広い視点で支援できます。利用者の人生設計に深く関わり、長期的に伴走できることも大きな魅力です。
課題
一方で、精神障がい者の就労継続は容易ではありません。研究によると、就労支援を受けた精神障がい者の約50.7%が1年以内に離職するというデータがあります。利用者が離職した際のフォロー、再就職への支援、メンタルケアも重要な業務です。
また、就労支援事業所の給与は病院勤務より低い場合があり、キャリアアップの仕組みが整っていない職場も存在します。転職先を選ぶ際には、給与だけでなく、研修制度やスーパービジョンの体制も確認しましょう。
精神保健福祉士の関連記事
就労支援分野への転職を考えている精神保健福祉士の方は、以下の関連記事もぜひご参照ください。
まとめ:就労支援分野への転職で精神保健福祉士の強みを活かそう
精神保健福祉士が就労支援分野へ転職することは、精神疾患に関する専門知識と対人支援スキルを最大限に活かせるキャリアパスです。就労移行支援事業所をはじめとする就労支援事業所は全国3,300か所以上あり、精神障がい者の就労ニーズが高まる中で、精神保健福祉士の活躍の場は広がっています。
転職を成功させるためには、就労支援の制度や業務を事前に理解した上で、福祉・医療専門の転職エージェントを活用することが重要です。利用者の社会参加と自立を支える就労支援の現場で、精神保健福祉士としての専門性をぜひ発揮してください。
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