認定看護管理者の資格と看護マネジメント
wellness 就活 編集部

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本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。
認定看護管理者(CNA)の資格取得方法、教育課程(ファースト・セカンド・サードレベル)の詳細、看護マネジメントの6つの能力カテゴリー、キャリアパスと年収への影響をわかりやすく解説します。看護師長・看護部長を目指す方必見の情報です。
認定看護管理者の資格と看護マネジメント|取得方法・役割・キャリアを徹底解説
看護師としてキャリアを積む中で「管理職としてもっとスキルアップしたい」「病院や施設の運営に携わりたい」と考える方は多いでしょう。そんな看護師にとって、認定看護管理者の資格は非常に魅力的な選択肢です。
認定看護管理者(Certified Nurse Administrator: CNA)は、公益社団法人日本看護協会が認定する専門資格で、看護管理者として優れたマネジメント能力を持つことを証明します。本記事では、認定看護管理者の資格取得方法、役割、看護マネジメントの実践、そしてキャリアへの影響について詳しく解説します。
認定看護管理者とは?その概要と意義
認定看護管理者とは、日本看護協会の認定看護管理者認定審査に合格し、「管理者として優れた資質を持ち、創造的に組織を発展させることができる能力を有する」と認められた看護師のことです。

この資格の目的は、患者・家族・地域住民に対してより充実した看護を提供できるよう組織に働きかけ、組織全体の看護の質を向上させることにあります。単なる個人のスキルアップにとどまらず、医療機関全体の質改善に貢献できる人材を育成することが狙いです。
認定看護管理者が求められる背景
日本の医療現場は、少子高齢化・医療の高度化・働き方改革など、さまざまな課題に直面しています。こうした状況の中で、看護部門を効果的にマネジメントできるリーダーの存在が不可欠となっています。
レバウェル看護の調査によると、認定看護管理者の資格を持つことで、組織内での信頼性が高まり、より大きな責任ある役職に就きやすくなるとされています。
認定看護管理者の資格取得要件
認定看護管理者の資格を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
受験資格の条件
- 看護師免許取得後、通算5年以上の実務経験があること
- そのうち通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験があること
- 以下のいずれかを満たすこと:
- 認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している
- 看護管理に関連する学問領域の修士以上の学位を取得している
認定看護管理者の更新制度
認定看護管理者の資格は5年ごとに更新が必要です。更新には、規定の学習実績(研修受講・看護管理実績)を積み、審査に合格する必要があります。これにより、常に最新の知識とスキルを持つ管理者として認められ続けることができます。
認定看護管理者教育課程の3レベル
認定看護管理者になるための教育課程は、ファーストレベル・セカンドレベル・サードレベルの3段階に分かれています。update-inc.jpによる2026年度版の詳細情報も参考になります。
| レベル | 対象者 | 期間・時間 | 主な学習内容 |
|---|---|---|---|
| ファーストレベル | 主任・副師長相当 | 105時間以上 | ヘルスケアシステム論、看護管理概論、グループマネジメント論など |
| セカンドレベル | 看護師長相当 | 180時間以上 | 組織管理論、看護サービス提供論、人材育成論など |
| サードレベル | 副看護部長・看護部長相当 | 180時間以上 | 経営資源管理論、看護政策論、統合演習など |
2024年4月1日現在、全国の教育機関数は75校(ファーストレベル70校、セカンドレベル62校、サードレベル33校)となっており、全国各地で受講できる環境が整っています。
看護マネジメントの6つの能力カテゴリー
日本看護協会では、病院看護管理者が持つべき能力を以下の6つのカテゴリーで示しています。認定看護管理者はこれらすべての能力を高いレベルで発揮することが期待されます。

1. 組織管理能力
病院・施設の組織構造を理解し、効率的な運営を実現するための計画立案・実行・評価を行う能力。部門間の連携を促進し、組織全体のパフォーマンスを最大化します。
2. 質管理能力
看護ケアの質を継続的に評価・改善するための能力。クリニカルインジケーターの活用や医療安全の推進、感染管理など、患者安全を最優先に考えた管理を行います。
3. 人材育成能力
スタッフの能力開発・キャリア支援を行う能力。個々の看護師の強みを活かし、チーム全体の成長を促す教育プログラムの立案と実施が求められます。
4. 危機管理能力
医療事故・自然災害・感染症流行などの非常時に組織を守る能力。リスクを事前に察知し、迅速に対応するためのBCP(事業継続計画)策定も含まれます。
5. 政策立案能力
医療制度や診療報酬改定などの外部環境を理解し、組織の方針や看護政策の立案に関与する能力。行政・地域社会との連携も重要な要素です。
6. 創造する能力
変化する医療環境に対応するため、新しい看護サービスやシステムを創造・導入する能力。イノベーティブな視点で組織を発展させることが求められます。
認定看護管理者のキャリアと年収
キャリアパスの広がり
認定看護管理者の資格を取得することで、キャリアの選択肢が大きく広がります。コメディカルドットコムの解説によると、主なキャリアパスとして以下が挙げられます。

- 看護師長 → 病棟・外来などの部門管理責任者
- 副看護部長 → 複数部門の横断的マネジメント
- 看護部長 → 看護部門全体の統括・病院経営参画
- 副院長 → 看護部長と兼任で病院全体の経営に関与
- コンサルタント・顧問 → 複数の医療機関へのアドバイザリー業務
年収への影響
ナース専科転職のデータによると、認定看護管理者の資格取得は年収にも大きな影響を与えます。
| 役職 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 一般看護師 | 約450〜500万円 |
| 主任・副師長 | 約550〜620万円 |
| 看護師長(認定看護管理者) | 約650〜750万円 |
| 副看護部長 | 約750〜900万円 |
| 看護部長 | 約900〜1,000万円以上 |
資格手当として月額1〜3万円程度が支給される施設も多く、長期的な年収アップにつながります。看護部長クラスでは年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
認定看護管理者の実際の業務内容
日常的なマネジメント業務
認定看護管理者が実際に担う業務は多岐にわたります。
人事・労務管理
- 看護師のシフト調整・労働時間管理
- 採用・育成・評価の実施
- スタッフのメンタルヘルスケア
質管理・安全管理
- インシデント・アクシデントレポートの分析と対策立案
- 看護基準・手順の整備・更新
- 医療安全委員会への参加・推進
組織運営・経営参画
- 病棟・部門の予算管理
- 診療報酬に関連した看護体制の整備
- 他職種・他部門との調整・連携
チームビルディングの重要性
認定看護管理者として最も重要なスキルの一つが、チームビルディングです。多様なスタッフの個性・強みを活かしながら、チームとして最大のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが求められます。
心理的安全性を高め、スタッフが意見を言いやすい職場環境を作ることが、看護の質向上と離職防止につながります。
認定看護管理者を目指す看護師へのアドバイス
資格取得前に準備すること
- 管理業務の経験を積む - 主任・副師長などのポジションで実績を作る
- マネジメントに関する書籍・研修で学ぶ - 資格取得前から知識を蓄える
- メンターを見つける - 先輩の認定看護管理者から学ぶ
- 施設のサポートを確認する - 研修費用の補助制度の有無を確認する
キャリアチェンジを考えている看護師へ
看護師としてのキャリアを考える際、認定看護管理者の資格は大きな武器になります。転職を検討している方は、看護師の転職完全ガイドも参考にしながら、自分に最適なキャリアプランを考えてみましょう。
また、医療・介護・福祉の資格取得完全ガイドでは、看護・医療系の各種資格について詳しく解説していますので、資格選びの参考にしてください。さらに、医療・介護・福祉職の給料・年収・待遇完全ガイドでは、職種別の詳細な年収情報も確認できます。
まとめ:認定看護管理者は看護のリーダーシップを体現する資格
認定看護管理者は、単なる管理職のスキルアップにとどまらず、看護の専門性とマネジメント能力を高いレベルで融合させた日本の看護界が誇る資格です。
取得には時間と努力が必要ですが、組織全体の看護の質を向上させ、患者・家族・地域社会に貢献できる存在になれることは、看護師としての大きなやりがいにつながります。
キャリアアップを目指す看護師の方は、ぜひ認定看護管理者の資格取得を視野に入れ、長期的なキャリアプランを描いてみてください。日本看護協会のWebサイトや全国の教育機関の情報を活用しながら、自分に合った学習方法で着実にステップアップしていきましょう。
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