介護ソフト・介護システムの種類と使い方ガイド
wellness 就活 編集部

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本記事は医療・介護・福祉業界の転職に関する一般的な情報提供を目的としており、 特定の転職先や雇用条件を保証するものではありません。 給料・年収等の数値は公的統計に基づく参考値です。 資格や制度に関する情報は記事執筆時点のものであり、 最新の情報は必ず厚生労働省や各専門職団体の公式サイトでご確認ください。 転職に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。
介護ソフト・介護システムの種類(クラウド型・オンプレミス型)、主な機能(請求・記録・シフト管理)、選び方のポイント、主要ソフトの比較を解説。67.5%の施設が導入済みの介護DXツールを徹底ガイドします。
介護ソフト・介護システムの種類と使い方ガイド【2024年版】
介護現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進む中、介護ソフト・介護システムは事業所運営に欠かせないツールとなっています。厚生労働省の調査によると、全国67.5%の介護施設がすでに介護ソフトを導入しており、導入によって記録業務時間が1日40〜60分削減されるという効果も報告されています。
本記事では、介護ソフト・介護システムの種類や機能、選び方のポイントを徹底解説します。これから導入を検討している方も、現在使用中のソフトを見直したい方も、ぜひ参考にしてください。
介護ソフト・介護システムとは?基本を理解しよう
介護ソフト(介護システム)とは、介護施設や事業所における業務を効率化するためのソフトウェアです。主に以下のような業務をデジタル管理することができます。
- 介護報酬請求業務:国民健康保険団体連合会(国保連)への請求書作成・送付
- 介護記録管理:利用者の日常記録、バイタル管理、ケア記録
- シフト管理:スタッフのシフト作成・勤怠管理
- ケアプラン作成:利用者個別のサービス計画書作成
- 連絡帳・報告書作成:家族や関係機関への連絡文書の作成
従来は紙ベースで行っていたこれらの業務をデジタル化することで、業務効率化・人手不足への対応・サービス品質向上が期待できます。
厚生労働省の介護テクノロジー利用促進に関する情報では、ICT導入支援補助金なども整備されており、国を挙げて介護DXを推進しています。
介護ソフトの主な種類【クラウド型とオンプレミス型】
介護ソフトは大きく分けて「クラウド型(ASP型)」と「オンプレミス型(インストール型・パッケージ型)」の2種類があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

| 比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 低い(0円〜数万円) | 高い(数十万〜数百万円) |
| 月額費用 | 5,000円〜20,000円程度 | 保守費用のみ(月数千〜数万円) |
| 導入の手軽さ | 簡単(インターネット接続のみ) | 手間がかかる(サーバー構築等) |
| データ管理 | ベンダー側サーバー | 自社サーバー |
| アップデート | 自動 | 手動(追加費用が発生することも) |
| セキュリティ | ベンダー任せ | 自社管理(高度なセキュリティ可能) |
| オフライン利用 | 基本的に不可 | 可能 |
| 複数拠点対応 | しやすい | 複雑な設定が必要 |
現在はクラウド型が主流で、全体の70.3%を占めています。法改正の際にも自動でアップデートされるため、介護報酬制度の改定にも迅速に対応できる点が大きなメリットです。
一方、セキュリティを重視する大規模施設や、インターネット環境が不安定な地域ではオンプレミス型が選ばれることもあります。
介護ソフトの主な機能と活用方法
介護ソフトには多様な機能が搭載されています。主要な機能とその活用方法を紹介します。

1. 介護報酬請求機能
介護保険サービスの利用実績を基に、毎月の請求書を自動作成し、国保連へ電子請求する機能です。手作業による計算ミスを防ぎ、締め切りに追われることなく正確な請求が可能になります。
2. 介護記録・ケア記録機能
利用者の日常生活の様子、食事・水分摂取量、バイタルサイン、入浴・排泄記録などをタブレットやスマートフォンから入力できます。音声入力に対応したシステムも増えており、記録の手間を大幅に削減できます。
3. ケアプラン作成支援機能
居宅サービス計画書(ケアプラン)の作成を支援する機能です。過去の記録や利用者情報を参照しながら、効率的に計画書を作成できます。ケアマネジャーの業務効率化に直結します。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の転職完全ガイドでも紹介していますが、ケアプラン作成業務はケアマネジャーの重要な職務のひとつです。
4. シフト管理・勤怠管理機能
スタッフのシフト作成、勤怠管理、残業時間の計算などを効率化する機能です。シフト管理システムの導入により、作成時間が3分の1以下に短縮されるという報告もあります。
5. 連絡・情報共有機能
スタッフ間の申し送り、家族への連絡帳作成、関係機関との情報共有などをデジタル化できます。リアルタイムでの情報共有が可能になるため、ケアの継続性が向上します。
介護ソフトを選ぶ際の重要ポイント
介護ソフト比較サイト(アスピック)でも紹介されている通り、介護ソフト選びには以下のポイントを押さえることが重要です。

ポイント1:対応サービス種別の確認
訪問介護、通所介護(デイサービス)、入所施設(特養・老健)など、介護ソフトによって対応しているサービス種別が異なります。自事業所のサービス形態に対応しているかを最初に確認しましょう。
ポイント2:使いやすさの検証
実際にスタッフが使いやすいかどうかが最重要です。無料トライアルやデモを活用して、現場スタッフに操作感を確認してもらいましょう。ITに不慣れなスタッフがいる事業所では、シンプルで直感的なUIを重視することが大切です。
ポイント3:サポート体制の確認
導入後のサポート体制は非常に重要です。電話・メール・チャットなど複数の問い合わせ手段があるか、対応時間はどうか(夜間・休日対応があるか)を確認しましょう。特に請求業務は月末・月初に集中するため、その時期のサポートが手厚いかをチェックすることをおすすめします。
ポイント4:他システムとの連携
バイタル自動測定機器、スマートフォン・タブレット、他部門システムとの連携機能があると、データの二重入力を防ぎ、業務効率が大幅に向上します。
ポイント5:費用対効果の計算
初期費用だけでなく、月額費用・年間保守費用・スタッフ研修費用なども含めたトータルコストで比較しましょう。介護ソフトの導入効果に関する分析(ワイズマン)では、導入によって人件費削減効果が発生することも示されています。
主要な介護ソフトの比較
現在市場で広く使われている主要な介護ソフトを紹介します。
| ソフト名 | 特徴 | 導入事業所数(2024年時点) |
|---|---|---|
| ほのぼのNEXT | 業界最大シェア・音声入力対応・多機能 | 71,900事業所以上 |
| カイポケ | 初期費用0円・コスパ重視・スモールスタート向け | 50,400事業所以上 |
| ワイズマン | 大規模法人向け・高度な機能・充実サポート | 多数 |
| Rehab Cloud | 科学的介護・リハビリ特化機能あり | 急成長中 |
| CareViewer | AI活用・記録の自動化に強み | 成長中 |
自事業所の規模・サービス種別・予算に合わせて最適なソフトを選ぶことが重要です。
介護ソフト導入の注意点とよくある失敗
厚生労働省の調査によると、デジタル化が進んでいる施設で働く職員の約6割が「かえって業務負担が増えた」と感じているというデータもあります。導入失敗のよくある原因として以下が挙げられます。
失敗例1:現場スタッフへの教育・研修不足
ソフトを導入しても、スタッフが使いこなせなければ意味がありません。十分な研修期間と丁寧なサポートが必要です。
失敗例2:業務フローの見直しをしないまま導入
従来の業務フローをそのままデジタル化しても効率化にはなりません。導入前に業務プロセス全体を見直すことが大切です。
失敗例3:現場の意見を反映しない選定
管理者だけで選定を進めると、実際に使う現場スタッフのニーズとのギャップが生まれます。現場スタッフを選定プロセスに参加させましょう。
失敗例4:コストだけで選んでしまう
安さだけを追求すると、必要な機能が不足したり、サポートが手薄だったりするケースがあります。費用対効果で判断することが重要です。
介護職・キャリアと介護ソフトの関係
介護ソフトの活用スキルは、今後の介護業界で働く上で重要なスキルのひとつとなっています。特に管理職を目指す介護職員や、介護職・介護福祉士の転職を検討している方にとって、ICT活用スキルはアピールポイントになります。
また、社会福祉士の転職や精神保健福祉士の転職といった相談援助職においても、ケア記録システムの活用は標準的なスキルになりつつあります。
介護業界に転職を検討している方は、求人選びの際に「ICT・デジタル化に積極的な事業所」を選ぶと、業務効率が良く働きやすい環境が期待できます。医療・介護・福祉の転職サイト・エージェント徹底比較も参考にして、自分に合った職場探しをしてみてください。
まとめ:介護ソフト導入で業務効率化と介護の質向上を
介護ソフト・介護システムは、介護現場の業務効率化に大きく貢献するツールです。
- クラウド型が主流で、初期費用が低く法改正にも自動対応できる
- 介護記録・請求・シフト管理など多様な機能を一元管理できる
- 記録業務時間を1日40〜60分削減できるなど、現場負担の軽減効果がある
- 導入成功のカギは「現場スタッフへの教育」と「業務フローの見直し」
介護DXは今後もさらに進化していきます。適切なソフトを選び、しっかりと使いこなすことで、介護の質向上とスタッフの働きやすさの両立を目指しましょう。
まずは複数のソフトの無料デモや資料請求を行い、自事業所に最適なシステムを見つけることからスタートしてみてください。
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